環境中に放出された化学物質の中には、体に入って女性ホルモンのように作用したり、男性ホルモンの働きをじゃましたりするものがあることがわかってきました。このような化学物質は内分泌障害性化学物質(環境ホルモン)とよばれ、世界自然保護基金(WWF)では約70種類の化学物質をリストアップしています。このような化学物質が発生中の胎児期に作用すると、生殖器の奇形や生殖障害がおこるのではないかと考えられています。本書は、図を中心にして、環境ホルモンの問題をわかりやすくしました。
監修:井口 泰泉
目次
1章 環境ホルモン(内分泌障害性化学物質)とは(30数年前の警告レイチェル・カーソン女史の「沈黙の春」;「環境ホルモン」とは何か;体内器官に大切なメッセージを伝達するホルモン ほか)
2章 汚染される地球と野生生物の異常(自然界にまん延し始めている環境ホルモン;汚染に苦しむ海の哺乳動物たち;異常な行動を見せる鳥たち ほか)
3章 人間にもこんな影響が心配されている環境ホルモン(発ガン物質としての環境ホルモン;環境ホルモンの神経系への影響;人間の精子数の減少・運動率の低下が起きている ほか)
4章 環境ホルモンから自然と人間を守るために(大量生産・大量消費・そして使い捨てのライフスタイルを見直すいい機会に…;環境ホルモンの影響を受けやすい赤ちゃんの安全を守ろう;化学物質がいっぱい使われているおもちゃへの注意 ほか)